シズカくんとクーちゃん

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ジョンJ.ミュース/作  三木 卓/訳  フレーベル館


高畑勲演出、宮崎駿脚本の「パンダコパンダ」を連想させる
大小二匹のパンダのお話し。
外国のお話なのに、大パンダの名は「シズカ」。
小パンダ(シズカくんの甥)は、なんと俳句をたしなむ。
いや、たしなむのではなくしゃべる言葉がすべて俳句なのです。
物語の中心は子どもたちとパンダたちが
一人暮らしの気難しいおばあさんとこころを通わせてゆく夏の時間。


おばあさんが、書きとりコンテストの宿題に悩むマイケルに言うのです。
「いいこと。ことばというものはね、木みたいに、根があるのよ」
「木は、根があるからそだつのね。ことばもおなじです。
ことばの根を知れば、しぜんに書けるようになるわ」


深い…それになんだか落ち着く読後感だなあと思ったら。
訳者の解説によると、作者のジョンJ.ミュースは東洋思想に関心が深い方なのだそうです。


絵はシズカくんの存在感と質感がリアルです。
“シズカのり”で遊んでいる場面ではやはりパンダコパンダを連想してしまうのですが。


「パンダのシズカくん」という作品が一作目らしいです。
図書館で予約しました。

書店にて

3日前のお休みに、池袋のジュンクで児童書の新刊をチェック。
久しぶりの大型書店、あまりの物量に、
「すごいねー!書店って本がいっぱいあるね!」
と、同行の友人と会話(アホである)。
見たい本は全部見ることができたし、「雨」というテーマで展示してあった本もみんなお洒落だった。


「がまくんとかえるくん」シリーズ(アーノルド・ローベル)を、念願の大人買い
でも「1Q84」は、やっぱり売り切れでした。
手に入らないと思うと、余計に欲しくなる。
なのできっと、この先もどんどん売れるのでしょうね…。


そして本日は、そのときチェックできなかった本を求めて近所の書店を何軒かはしごする。
あまり期待はしていなかったのだけど…。
あらためて小さな本屋さんの児童コーナーをみると、けっこうな絶望感に襲われる。
一般書の新刊が豊富な書店でも、児童書の新刊は皆無といっていいかも…。
つみきのいえ」の絵本など、話題になったものはあるのですが。
売れ筋定番の児童書と絵本、あと、棚のほとんどを占めているのは問題集やドリル。
そうですよね、売れるものを置くのが本屋さんだもの。
でも本って手にとってみないとわからないものですし、
一消費者としてもうちょっとチャレンジして欲しいなあなんて思いました。

朝日新聞の一面で

「光る本棚・コンシェルジュ…図書館を変える民間委託」
http://www.asahi.com/culture/update/0601/TKY200905310220.html


朝の情報番組、「とくダネ!」(CX系列)でもこの記事をオープニングで取り上げていました。
図書館はあまり利用しない…という人が読んだら、へー、最近の図書館はすごいなあと思うかもしれませんね。
ドライブスルーで返却できるなんて。


十数年前まで、同じような規模の図書館なら、日本全国似たようなサービス内容だったのでは。
利用者の立場に立ったサービスが次々と実施されていく一方で、
いわゆる「格差」も広がってゆく途中なのでしょうか。

一度良くしたもののレベルを下げることはなかなかできないでしょうし、
こんなふうに情報が行き渡れば、利用する人も格差の是正を望んでゆくでしょう。
そして日本全国でサービスが向上してゆけばいいのですが、おや?


『サービスを良くして利用者が増えるほど、費用がかさむ。』
なななんと。
根本的な大問題が。
わかっているなら、早く手を打たなくては。
もう、補正予算に計上してあるのかしら?
総選挙の公約に入るかしら?(入りません)


国を引っ張っていく人は、まじめに図書館のことを考えてほしいです。

ブックスタート

週一回ブックスタートをやっています。4ヶ月検診を終えた赤ちゃんに絵本を渡すのです。
ブックスタートの趣旨を説明して絵本を読み、手遊びやふれあい遊びを少しやって図書館の利用案内をしてお開き…という運びです。


「絵本を通して赤ちゃんとふれあう時間をもつ」
「知育や早期教育が目的ではない」
「保護者も一緒に絵本を楽しむ」
というのが趣旨。


どんな絵本がいいんですか?
どんなふうに本を読んであげればいいのですか?
そんな質問が毎回出て、熱心な親御さんが多いです。
赤ちゃんもたいそうかわいらしく、なごやかなひとときです。


私がボランティアでブックスタートのお手伝いをはじめたときに感じたのは、
図書館というよりは児童館のようだなあということでした。
もともと保健所で検診を受ける際に渡していたものなので、
いきおい『赤ちゃん広場』的になるのは自然なこと。
親御さん同士が情報交換したり、悩みを語り合ったり、メルアドを交換したり、
そういう場にもなっている。
絵本を読むことよりも、
若干、ふれあい遊びや手遊びの方に親御さんの(赤ちゃんも)反応があったりするわけです。
うんうん、わたしも子どもが赤ちゃんだったときは、
とにかく話ができる場・子どもが喜ぶ場を求めてさまよっていたなあと懐かしく思い出したり。


そんな需要を考え、
講習会を受けて、わらべ歌や子守唄、赤ちゃん遊びをマスター。
保母さん(保育士さんというのか)みたいな図書館員になっております。


ただ、とっても若い方や男性など、そういう場に慣れていないスタッフも
お当番でこの仕事をするのです。
「わらべ歌、歌わなきゃダメですか?」
「手遊びやって、すべらないでしょうか?」
「赤ちゃんのことがあまりよくわからないんですけど…。」
と言われたら、うーん、そうだねえ、と悩む。
やってればできるようになるよ、とも思うけど、慣れないうちは負担になるでしょう。
図書館なのだから読み聞かせだけでいいと割り切ってしまうか?


スタッフに負担にならず、運営がスムーズにいく方法はないものでしょうか。

あたらしい図書館が

OPENしてから10日がすぎました。


準備の大変さもさることながら、はじまってからもいろいろと細かな調整があるんですね…。
私にとっては初めての経験なので、フタを空けてみてはじめて、納得。
慣れてきたらまたそれなりに、こんなふうにしてみたい!と思うのでしょうが、
今はまだ無理。ついていくので精一杯です。


最初の3日ぐらいは登録のお客様で大賑わい。
そのあと雨の日があったりして少し落ち着き、連休が明けてまた少し混み合って。
新品ばかりの書架の本がごそっとなくなっております。


これまでやったことのなかった、選書がむずかしい。
すごく楽しみにしていたのですが甘かった。
まず、自分にビジョンがないのは、まずいだろう…と思う。
こんなラインナップにしたい、とかそういうビジョンです。
予算内で選ぶこと。シリーズや在庫を把握すること。
これまで使ってこなかった脳みそを、目覚めさせなくてはなりません。


図書館の建設中から、その様子を紹介していたブログがあったんです。
このまま続けていければいいな、ちゃんと管理できるスタッフもいるし…。
と、思っていたのですが。
諸事情で、だめなんですって。もったいないです…。


「近くに図書館がなかったから嬉しいわ。」
そういって、にっこり微笑んでくださったご婦人がいらっしゃいました。
こちらも心からの笑顔になれます。

メディアリテラシー

SMAP草なぎ剛さんが逮捕されたという報道に衝撃を受けてから丸一日。
釈放され会見が行われましたが、実はファンなのである。
舞台で芝居をやれば、2度は観に行くほどの。


報道がヘンだなあ…もし興味のないタレントだったとしても、これは思っただろう。
この一件に限らず、報道の仕方に疑問を抱くことは日常茶飯事である。
なので
マスコミがいい加減だということを差し引きつつ、ニュースを見たり聞いたりするのは
自分のなかではあたりまえ。


それにしても…と悲しい気持ちでいろいろ見ていたら、
いつものところに辿り着きました。


丸山高弘氏のブログ
推定無罪の人間に対して社会的制裁を加えるのはいかがなものか」
http://maru3.exblog.jp/8210176/

メディアリテラシー
http://maru3.exblog.jp/8210796/


冷静にこういうことを伝える報道が見当たらなかったことに愕然とします。

研修だらけ

オープンに向けて準備が進んでおります。
今日も昨日もメインは研修。その合間に作業や話し合い。
この2日間にもらった研修資料の厚さは5・5センチほどです。


毎日が戦い。
何と戦っているかというと
「げっ。あたしったらこんなこともあんなことも知らない。この本もあの本も知らない。」
というあせりや不安と戦っております。


しかし落ち込んでるかといえばそんなことはない。
落ち込むヒマがあったら絵本の一冊でも読むべし。


少しずつでも、前に進まないよりはマシですからねぇ。
知ったかぶり禁止、いいわけも禁止。


いよいよ近日、蔵点に入る模様。



そうそう、このあいだ行って来ました。

東京こども美術館
http://www.goodtoy.org/ttm/

中野から新宿に移転して一年になるそうです。
新宿の廃校になった小学校の校舎を借りて、
子どもとおもちゃを結びつける活動を続けています。
良質なおもちゃを子どもたち(や大人たちに)届けるために
ワークショップなどにさまざまな工夫をこらしているのです。


おもちゃだから遊んでなんぼ、なので
企画の展示物にほとんど触ることができないのは残念でしたが、
珍しい外国のゲームやパズルなど、実際に遊んで楽しめるものはホントに面白い。
赤いエプロンのおにいさんやおねえさんやおじさんが、
遊び方を教えてくれます。
しかし、親のほうが夢中になっている場面を多々目撃したなあ。
あ、私も含めて。


子どもは大人になると、あまりおもちゃで遊ばなくなりますが、
楽しいおもちゃで遊んだ感覚は、まちがいなくその人の栄養になるわけで。
それは本と同じですよね。
そういえば小さいとき、本はおもちゃと同義語でした。


いい本を、たくさん読んでほしいなあ。